WordPress で制作されたサイトを安全で健全な状態に保つように管理します。
セキュリティ上の懸念を事前、もしくは脆弱性が発見されたら即座に対応します。具体的には、WordPress コアやテーマ・プラグインのアップデートや代替プラグインへの乗り換えなどにスムーズに対応できます。(月額で保守管理契約している場合には、見積等なしで作業時間の調整のみ行ってすぐに対応)
また、WordPress などを動作させるサーバ側プログラムである PHP や SQL などに古いバージョンが使用されている場合には、現在サポートされているバージョンに移行させてセキュリティ上の懸念や速度アップを図ります。(こちらは難易度や影響範囲により別途料金となる場合があります)
株式会社リガード様; バージョン更新、サーバ移行
長らくサイトのカスタマイズ、LP 制作等をご契約いただいている株式会社リガード様のサイトの各種バージョン更新とサーバ移行を実施しました。
今回の対応で最も難易度が高いものが、PHP バージョンの更新です。PHP 5.6 というのは2019年1月の更新を最後にサポートが切れたバージョンです。その後、PHP 7.x を経て PHP 8.x にバージョンアップが行われました。
PHP 7 になるタイミングで PHP 5.6 でよく使われていた機能の入れ替えが行われたり、構文が厳格化されて PHP 5.6 向けに作られたプログラムは、そのままではまず動かすことができません。PHP 8 では更に構文解析でエラーが起こると処理を停止するようなものが増え、一層厳格な記述が要求されています。
そのため、一般的には PHP 5.6 から PHP 8.1 にバージョンアップすることは非常に困難な作業となります。
殆ど全ての処理を見直す必要が出てくるので、場合によってはイチから作り直した方が楽なこともあります。(イチから作り直した事例も今後紹介していきます)
- PHP バージョン更新 (PHP 5.6.40 → PHP 8.1.x)
- WordPress バージョン更新 (WP 5.4 → WP 6.6)
- 各種プラグインのバージョン更新、整理
- サーバ移行 (Xserver 内で新サーバへ移行)
※今回は、予算別にいくつか提案してバージョンアップに絞って対応することとなりました。そのため、フロントエンドの読込調整などによる高速化は未実施です。
効果; 表示速度の改善
これらのアップデートやサーバ移行はセキュリティの向上だけでなく、表示速度にも大きな効果がありました。
PHP 5.6 と PHP 8.1 だと処理速度が数倍以上違います。元々はページ生成に2秒以上掛かっていたものが0.5秒以下程度で生成できるように改善しました。
(後から作ったページの中には元々1秒弱で生成できるページもありますが、トップページが特に遅いという状況でした)
具体的には、CrUX レポートの TTFB (サーバから最初の 1byte が返ってくるまでの時間で、概ねサーバでのページ生成速度) を確認すると以下のように大幅な改善が見られます。
※2024年7月中旬に移行したため、7月データは半数近くが移行前のデータとなっています。
セキュリティ対策の追加
また、バージョンアップに合わせてセキュリティ対策のプラグインも導入しています。これによりセキュリティ的にも安心して使用できる環境を整えました。
ボットによるログイン試行の排除やバージョン情報等の秘匿などを織り込んでいます。
もちろん開発環境も本番環境と同じものを用意して常に最新のアップデートを適応する形で本番環境の事前テストができるようになっています。
これからは都度、もしくは月に1回程度はアップデートを実施できるように担当の方と調整をしています。
参考見積価格
定期的なアップデートをほとんどしていない場合に、構成するプログラムバージョンを大きく変更することを前提として見積例を提示します。
このような状態ですと、何も考えずにアップデートをしてしまうとサイトが真っ白になり管理画面すら開けなくなる状態になることが多いでしょう。
※見積価格は実際の価格とは大きく異なります。リガード様とは長く取引させて頂いており、サイトの内部構造や外部との連携ツール等を把握しているため、構造解析や連携ツールの確認などが不要のためです。また、サイトごとに要件や作り方が大きく異なるため、詳細な見積相談はお問い合わせください。(無料です)
※一般的な流れですと、ご相談いただき状況を把握しましたら概算の予算を提示し、同意いただけましたらこの部分の費用を請求して構造解析、対応案の提案などを先に行います。この段階で見積が出せますので、その後の対応までご依頼いただけるかもしくは他社に依頼するのか、リニューアルをするのかなどご判断ください。
項目 | 価格目安 | 備考 |
---|---|---|
サイトの構造解析、要改善点の抽出 | 150,000円 | サイトの規模や構築方法により大きく異なります。 一般的なコーポレートサイト (企業サイト) を想定しています。 |
対応案作成 (見積作成) | 50,000円 | 2~3案程度を予算別に作成します。 予算が決まっている場合には、対応内容別に作成します。 見積作成のために予算内で事前テスト等を行うことがあります。 |
開発環境構築、 バックアップデータ保管 | 50,000円 | できる限り同一の環境に開発環境を複製します。 バックアップとしてこの時点でのデータをローカルストレージに保管します。 (ローカルストレージは RAID で多重化した上で、複数拠点にミラーリングしています) |
開発環境でバージョンアップ検証 | 100,000円 | サイトを停止することなくバージョンアップが可能な手順等を検討します。 どうしても一時停止が必要な場合は、その時間を最小にする方法を検討します。 |
バージョンアップに伴う 不具合修正、プラグイン代替対応 | 200,000円 | カスタマイズ等で使用されるコードを正しく動作するように修正します。 バージョンアップで動作しなくなるプラグインを代替して付随処理を書き換えます。 |
バージョンアップ対応 (深夜対応) | 50,000円 | 影響の少ない深夜帯 (25~28時ごろ) にアップデートを実施します。 本番環境で発生した不具合等もこのタイミングで修正します。 |
移行後の動作確認、修正 | 50,000円 | すべてのページが移行前後で変わっていないか、 変更した内容が適応できているかを確認します。必要であれば修正対応します。 |
サーバ移行 (Xserver) | 5,000円 | Xserver 内での収容サーバの移行して切り替え前の動作検証を行います。 他サーバでも25,000円ほどで移行を行います。 |
合計 | 655,000円 | 見積価格はサイトの規模や構造によって大きく異なります。 あくまで一般的なコーポレートサイトを PHP 5.6 → PHP 8.1 までアップデートして プラグインの整理、各種独自のカスタマイズコードの修正を行った場合の参考です。 |
※単純なサイトでバージョンアップの検証が必要なものが少なければ検証や修正費用をずっと抑えることができます。数ページのカスタマイズコードなどがないサイトであれば10万円以下となります。
※難易度が高いバージョンアップは、PHP 5 以下などの非常に古いプログラムを最新の PHP 8 系にするような場合です。使用されているライブラリ等の更新が止まっている場合などには代替対応も必要です。(もしくは全て作り直す)